GAINとMASTER、アッテネーターって?


1.GAINの調整方法

GAINとは音の入り口。どのくらいアンプに楽器の音を取り込むかというつまみ。単に「INPUT」(Ashdown,Fender,Gallien Kurueger…etc)とか「INPUT LEVEL」(YAMAHA…etc)とか表示されている時もあります。

gain

GAINの横には、たいていclipランプがあります。演奏しながらGAINをあげていくと、このランプが徐々につき始めます。点いたり消えたり、点いたり消えたり…でやがて点きっぱなしになります。歪み(過大入力)が大きくなったということです。ここでGAINをあげるのを止め、ちょっとだけ(ほんの1か2くらい)つまみを戻します。狙うのは、ぎりぎりランプがつかないポイント(またはたまに点くくらい)。これが、ほどよい入力になるための、私のベーシックなセッティング法。

gain-yamaha

これで得られた音よりさらにGAINをあげていけばいくほど、音は歪みます。原音に忠実でない「歪み」というものは、昔は悪者でしたが昨今ではそんなことはありません。より攻撃的・アグレッシブな演出に使われたりしますし、音も伸びるようになります(サスティーンの増加)。また、歪んだギターとの相性も良いです。「歪んだ音」の研究も進んでおり、攻撃性だけではなく、マイルドで綺麗な「気持ちの良い」歪みというものも認識されているように思います。

ただ、歪みが大きくなればなるほど、体感上の音圧感は薄れますダイナミックレンジが狭くなり、ベースの音色からスピードのある「どんっ」という重さが失われていきます。音量は上がっても「どんっ」が無くなり、代わりにギャーっと鳴る感じです。レンジの広い、タテのノリ・フレーズのダイナミックさ等が出にくくなりますので、歪ませすぎにはご注意を(私見ですが、ヘヴィロックになればなるほどベース音に歪みが要求されるのは、ギターとの相性はもちろんですが、表現するリズムがそもそも安定した横のノリであるから、ということも一因であろうと仮説しています。言葉が曖昧で申し訳ありませんが!)。

2、「MASTER」と「VOLUME」

これらのつまみは、こういった歪み具合の調整までした音の、トータルの音量の上げ下げです。これが無いと、歪みの量と音量が連動してしまいます(→歪んだ音は常に大きな音)。GAINとMASTER(VOLUME)が分かれていれば、入力過多の「歪んだ音のまま小さく出す」ということもできるわけですね。

3.アッテネータースイッチ

多くのスタックアンプには、入力調整の「GAIN」のすぐそばに「-10dB」とか「-15dB」とかのスイッチ(アッテネーター…減衰器)があります。これは、上記入力調整の幅を大きく超えたアクティブベースなどを入力した場合、GAINでは調整しきれない、もしくは微調整が効かない時に初めから大きく入力を抑制するスイッチなのです。「GAIN」を絞っても、clipランプがずっと点いてしまうときなどに使用します。ご参考までに。

 

ちなみに、本稿執筆にあたって様々なベースアンプを調査しましたが、一部のデジタルアンプの中には、入力側から順に、「INPUT LEVEL」と「MASTER」と「OUTPUT」の3つの音量調節つまみを持つ機種がありました。「MASTER とOUTPUTってどう使い分けるの???」…。

よくよく調べてみると、デジタルアンプ特有のメモリー機能に関係するものでした。
どういうことかというと、この機種、音色をエディットしてメモリーに保存することができるのですが(5種類)、この時に「MASTER」のつまみの値(音量)も保存できるのですね(プリアンプからの出力値)。「OUTPUT」はまさにアンプから出る音の大きさの調整なのですが、これは保存できない。つまり、ポイントは作った音色の間での音量バランスを調整した「MASTER」を保存できるようにしないと、ライブで音色を変えた瞬間に音が小さすぎたり、逆に大きすぎたりすることがあるのです。あくまで、音量(アンプからの出力)を決めるのは「OUTPUT」、音色間の音量を調整し、保存できるようにしたのが「MASTER」ということなのですね…。わかりにくい…。ヤ○ハさん、こういうのどうにかして…。

しかもこの機種、一つのつまみが別の意味を持つことがあります。つまり、「コンプレッサーモードの時は○○○という機能」「アンプモードの時は○○○という機能」「イコライザーモードの時は…」。ごめんなさい。もう、勘弁してください…。